あらすじ
「ヴァレンツァの至宝」と称えられる外交官、リアム・ヴァン・アルディッシュ。彼が留学生として訪れたリブラ王国は、あまりにも退屈な茶番劇に満ちていた。
王太子は男爵令嬢のハニートラップに溺れ、誇り高き公爵令嬢カタリナを疎んでいる。そんな国の窮地を見かねた商人オーガストから商談を持ちかけられたリアムは、優雅に微笑み、脚本の書き換えを引き受けた。
「花はみな美しい。……だが、それが害虫であるなら取り除かなければ」
偶然を装い、男爵令嬢を「渇望」の罠へ誘い込むリアム。愚かな王子と側近たちが怒りに任せて剣を抜いた瞬間、リアムは冷徹な外交官の顔を露にする。
「それは、わが国への宣戦布告と受け取ってよろしいのですね?」
恋にかまけた代償は、一国の未来。治外法権と外交特権を武器に、腹黒外交官と氷の令嬢による、愚か者たちのための処刑録が幕を開ける。