あらすじ

「……ん……え?」 目を覚ましたおれは、ぎょっとし、喉の奥からかすれた声を漏らした。いや、まず自分が眠っていたこと自体にも驚きだったが、それ以上に、目に映る光景がまったく見覚えのないものだったのだ。 床も壁も天井も、すべて剥き出しの土。呼吸するたびに、湿った土とカビのような匂いが鼻腔にまとわりつく。頭上には裸電球が一本、細いコードにぶら下がっており、わずかに揺れていた。 そして何より――おれは椅子に縛りつけられていた。 胴体、手首、足首。麻のロープが何重にも巻きつけられ、雑に結ばれていた。少し身じろぎするだけで、繊維が皮膚を擦り、じりっとした痛みが走る。

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小説を読もう2026/03/15
  • 現在の作品おれが人質 :約5000文字