あらすじ
むかしむかし、剣と魔法の世界から幾星霜。人類は大地を去りました。されど宙には旅立たず、ただ中空に浮かぶのみ。
そうする必要がなかったのです。選別された人類が存続できる分の資源は潤沢にあり、自然の脅威を除かれた管理社会はぬるま湯のように心地良い。そこが辿り着くべき場所、楽園なのだと錯覚するには十分でした。
空飛ぶヒトは進むことを放棄したばかりか、大地の民から翼を捥ぎました。自らが停滞するのみならず、衰退を強いたのです。憎しみが生まれ、争い、数多もの血が流れた時代もありましたが、それも遠い過去。
確執や厭悪は忘却の彼方に消えかけていたその時、それはまさに青天の霹靂。好機は突如訪れ、人々は──。