あらすじ
「――番号が、ない」
2025年、秋。来栖政道(くるす まさみち)、50歳。
三年前、最愛の妻と死別した男に残されたのは、彼女と交わした「いつか二人で、小さな不動産屋を始めよう」という約束だけだった。
その夢を叶えるべく挑んだ宅建試験は、わずか一点差の不合格。
絶望に暮れる彼の前に現れたのは、黄金に輝く一冊の参考書だった。
導かれた先は、ドラゴンが空を舞い、理不尽な土地契約が横行する異世界。
そこでは、狡猾な悪徳業者たちが、無知な人々から家や土地を奪い取っていた。
魔力も剣才もない、ただの50歳。
しかし、彼が手にした『赤い本』は、日本の**『宅地建物取引業法』**を最強の契約魔法(ギアス)へと変換する聖典(オリジン・コード)だった!
「あんたたちのやっていることは、立派な無免許営業だ」
18歳の健気な新米店主・リアを守るため、
帝都の冷徹なエリート監視官・エレナの追及をかわすため、
おじさんの持てる「知識」と「誠実さ」が、異世界の歪んだルールを書き換えていく。
これは、人生の再試験に挑む50歳のおじさんが、
不動産のプロ(を目指す者)として、誰かの「居場所」を守り抜く物語。