あらすじ

梗 概 前漢初期、嶺南《れいなん》に南越《なんえつ》国という独立国があった。国都は番禺《ばんぐう》(広州)、国王は趙佗《ちょうた》、中原《ちゅうげん》のもと趙国の出自である。嶺南とは、華南からベトナム北部にかけての地域をいう。 趙佗は少年のころ、同じ趙の遺臣 任囂《じんごう》にしたがい秦《しん》に投降し、数年後、始皇帝の近侍として警護の任につき、全国巡幸に随行する。秦は中原統一後、五十万の大軍で嶺南に侵攻する。嶺南 百越《ひゃくえつ》族の抵抗に遭い、初代前線指揮官 屠雎《としょ》は戦死する。後任の指揮官任囂は、副官に趙佗を抜擢する。趙佗は始皇帝のもとを去り参戦、嶺南を制覇する。秦帝国の統治下、南海郡竜川県令となった趙佗は、南遷移民を受け入れ、嶺南開発の緒につく。 一方、始皇帝の急死にともない、中原はふたたび乱れる。項羽《こうう》と劉邦《りゅうほう》が対決し、秦は滅亡する。南海郡尉として嶺南を統治してきた任囂が病に倒れ、趙佗が後継者となる。 中原で楚漢が対立する間隙をぬって、趙佗は独立、南越国を建てる。南越国は、和輯《わしゅう》百越の精神で国人をまとめ、鉄製農耕具を中原から導入し、農業生産の増大をめざす。また海人の伝統をひきつぎ造船に注力し、商船隊を育成、南海交易の拡大をはかる。 やがて漢への服属をうながす使者 陸賈《りくか》が派遣される。陸賈は軍事発動によらず平和裏に説得、趙佗は漢に帰服する。劉邦が崩御し、呂后が聴政する。隣国長沙王の陰謀で、呂后は南越を経済封鎖したうえ、長安にいる南越皇后らを誅殺する。趙佗は叛漢を決意する。漢は征伐軍を発するが、呂后の死で兵を引く。文帝が立ち、陸賈が再訪、漢越は和解する。 遠洋航路の開拓は、始皇帝の遺志でもある。これを趙佗は嫡子 趙始《ちょうし》に託す。のちに趙始の商船隊は、中東からアフリカ東岸にいたる。 享年百三歳、夢の実現を置き土産に、趙佗は亡くなる。嫡孫の趙胡《ちょうこ》が二代目南越王となる。二千三百年後、趙胡の王墓が発掘される。   目 次  天の章 地の章 人の章 草原伝説 始皇余聞 趙佗亡国 全国巡幸 霊渠開削 嶺南攻略 百越制覇 竜川県令 巨星墜つ 秦漢興亡 任囂遺訓 南越建国 和輯百越 趙佗帰漢 別異蛮夷 戦火再び 陸賈来復 百年の夢 参 考 文 献 南越国史  張栄芳・黄淼章 広東人民出版社 1995年12月 嶺南古史  胡守為     広東人民出版社 1999年9月 歴代入粤名人 利小松・陳沢弘 広東人民出版社 1994年12月 南越五主伝  梁廷楠・楊孚  広東人民出版社 1982年7月 嶺南震撼   岳南     浙江人民出版社 2001年1月 南越開拓先駆 趙佗  胡守為 広東人民出版社 2005年7月 趙佗        呉凌雲 広東人民出版社 2010年10月霊渠        劉建新 広東人民出版社 2010年8月嶺南経済史話    子月  広東人民出版社 2000年11月 南越国史跡研究会論文選集          西漢南越王博物館 文物出版社 2005年4月 広州南越王墓 麦英豪・黄淼章・譚慶芝 三聨書店 2005年11月 趙国史稿 沈長雲・魏建震・白国紅ほか 中華書局 2000年11月 中国歴史地図集 中国社会科学院            譚其驤 中国地図出版社 1996年6月 西漢南越王博物館 珍品図鑑   文物出版社 2007年7月 中国考古の重要発見 黄石林・朱乃誠            高木智見訳 日本ES出版部 2003年4月 中国の歴史3 大統一時代   陳舜臣 平凡社 1981年1月 史記 ちくま学芸文庫 司馬遷         小竹文夫・小竹武夫訳 筑摩書房 2005年8月 秦漢帝国       講談社学術文庫 西嶋定生 2008年5月 始皇帝陵と兵馬俑   講談社学術文庫 鶴間和幸 2004年12月 秦漢帝国   中公文庫 日比野丈夫 中央公論新社 2000年4月 海のシルクロードを調べる辞典             三杉隆敏 芙蓉書房出版 2006年8月

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カクヨム2016/03/24
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