あらすじ
三崎は詐欺師だった。
投資話で数十人から億単位を騙し取り、服役。出所後、採用支援会社を一人で立ち上げた。資本金は貯金の全部。事務所は都内の安いシェアオフィス。前職は「お話しできません」の一言で切り抜ける日々。
武器は一つだけ捨てた。嘘だ。
やがて会社は動き始める。元詐欺師が人を見極める採用支援は、なぜか精度が高かった。
超堅物の共同創業者が入る。組織が育ち始める。VCが現れる。
そして上場準備が始まった日、昔の共犯者が現れてこう言った。
「綺麗事で上場? お前が一番、無理だと分かってるだろ」
反社チェック。経歴調査。週刊誌。過去は、企業価値を吹き飛ばす爆弾になっていた。
隠し切れば上場は近い。
自分から話せば、全部壊れる。
信用とは何か。
失ってから残るものが、本物なのか。
元詐欺師が、正攻法だけで上場企業を作ろうとする話。