あらすじ
遺品整理士・佐伯慎一は、死者が遺した「執着」を嗅ぎ分ける特殊な嗅覚を持っていた。
彼が新たに請け負ったのは、街の功労者であり、巨万の富を築いた九条家の当主・源一郎の遺品整理。
厳重に封印された書斎。
そこに残されていたのは、一通の遺言状だった。
だが、その紙面にはインクの跡一つない。
――完全なる、白紙。
「おじい様は嘘をつかなかっただけ。言葉にすれば、すべては嘘になるから」
そう語る美しき孫娘・怜奈。
不敵な笑みを浮かべる顧問弁護士・遠藤。
そして、屋敷の影で何かを咀嚼し続ける老女・トメ。
白紙の紙面から溢れ出す、焦げたような「空白」の匂い。
それは、文字にすら出来なかった凄惨な過去と、一族を縛り付ける血の呪いの証明だった。
一話ごとに暴かれる、九条家の「十五の罪」。
誰が書き込み、誰が消されたのか。
最後の一枚が埋まる時、生き残っているのは誰か――。
閉鎖的な邸宅を舞台に描かれる、本格心理ホラーミステリー。
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登場人物
・佐伯慎一(さえきしんいち)
・九条怜奈(くじょうれな)
・遠藤鏡介(えんどうきょうすけ)
・トメ
・写し鏡の男(うつしかがみのおとこ)