あらすじ
植物を慈しむ心と薬草の知識を持つオメガの青年リアムは、継母や異母弟から虐げられ、使用人以下の扱いを受けて生きてきた。
ついには無実の罪を着せられ、元婚約者にも裏切られて、冷たい雨の降る街へと追放されてしまう。
絶望と寒さの中で意識を手放しかけたリアムを救い上げたのは、圧倒的なアルファの覇気を放つ男。
それは、他国からも「冷徹な軍神」と恐れられる王太子、アレクシスだった。
「君は、私の運命の番だ」
誰も見向きもしなかった泥まみれのリアムを、アレクシスは優しく抱き上げ、王宮へと連れ帰る。
温かい食事、美しい衣服、そして何よりも、これまでの傷をすべて溶かしていくようなアレクシスの深い愛情と甘い独占欲。
彼に与えられる絶対的な安心感の中で、リアムは少しずつ自己肯定感を取り戻し、持ち前の植物の才能を開花させていく。
一方、リアムを陥れた家族たちは、彼が王太子の寵愛を受けていると知り、再び悪意の牙を剥こうとするが、それは冷酷な王太子の逆鱗に触れることとなり――。
これは、すべてを奪われた孤独なオメガが、世界で一番強くて優しいアルファに見初められ、至上の幸福と愛を手に入れるまでの、最高に甘いシンデレラストーリー。
※本作には、一部に暴力的な表現(虐待描写)および、同意に基づく性的な描写が含まれております。18歳未満の方の閲覧はお控えください。
【登場人物紹介】
◆リアム・ヴァレンタイン
ヴァレンタイン伯爵家の長男。オメガの男性。二十歳。植物の世話や薬草の調合に並外れた知識を持つが、後妻とその息子によって使用人以下の扱いを受けている。長年の虐待により自己評価が低く、常にうつむきがちだが、心の中には草花を慈しむ優しい光を宿している。
◆アレクシス・フォン・ローゼンバーグ
この国を治める王太子。アルファの男性。二十五歳。冷徹で圧倒的な軍事の才能を持ち、他国からも恐れられる存在だが、本来の性格は誠実で極めて不器用。自身を満たす運命の番を長年探し求め、満たされない心を抱えたまま孤独な公務を続けていた。
◆ミハエル
リアムの異母弟。オメガの男性。十九歳。甘やかされて育ち、わがままで見栄っ張り。美しい外見を持つが、リアムからすべてを奪い取ることに異常なほどの執着を見せる。
◆ジュリアス
リアムの元婚約者。アルファの男性。二十歳。地位と見栄を何よりも重んじる軽薄な性格。リアムを邪魔者扱いし、より美しく華やかなミハエルの甘い言葉にたやすく誘惑されてしまう。