あらすじ
王国唯一の聖女として十五年間、身を削って人々を癒し続けてきたセフィナ。
ある日突然、王太子から「新しい聖女が見つかった。お前はもう用済みだ」と追放を告げられる。
悲しむ暇もなく王都を追い出されたセフィナは、辺境の小さな村にたどり着く。
もう聖女の責務に縛られない自由な生活――そう、スローライフの始まりだ。
ところが、セフィナが趣味で作る料理にはちょっとした秘密があった。
「セフィナさんの朝食を食べたら、なぜか魔物を素手で倒せるようになったんですが……」
「昨日のシチューのおかげで、枯れた畑が一晩で花畑になりました」
「おやつのクッキーを食べた子どもたちが、全員魔法に目覚めたんだけど?」
――聖女の力は、癒しだけではなかった。
一方、セフィナを追放した王国では、魔物の大発生、疫病の蔓延、神殿の崩壊と、災厄が次々と降りかかり――
「聖女様、どうかお戻りください!」
「えっと……今ちょっとパン焼いてるので、無理です」
これは、追放された聖女が辺境で気ままに暮らしていたら、いつの間にか辺境が王国最強の地になっていたお話。