あらすじ
貴族の家を離れた父を持ちながら、アリア・フォン・ロザンは一人で社交界へと戻った。
王立大学で研究助手として働きながら、知性と美貌を武器に、貴族社会の中で少しずつ立場を築きつつある令嬢である。
ある晩餐会で、アリアは一人の青年と出会う。
穏やかな物腰と、どこか距離を測るような視線を持つ男。
その振る舞いから、彼がオサリア王国の第二皇子であると、アリアは確信する。
王家の人間――
そう判断したアリアは、その男に近づいていく。
だが、それはすべてではなかった。
王家に仕える使用人でありながら、星を学び続ける男――ニールス。
彼のついた小さな嘘が、アリアの日常を静かに揺らしていく。
社交界と学問の世界。
身分と立場、そしてそれぞれの思惑。
交わるはずのなかった二人の運命が、少しずつ動き始める。
――社交界に戻った令嬢と、星を見る使用人の物語。