あらすじ

名門校でも進学校でもない地味な私立の中高一貫女子校、松葉女学園に通う佐倉栞にとって、駅と学校を結ぶ坂道は、中学入学から通い続けている「代わり映えのしない日常」そのものでした。 しかし高校一年に進級した四年目の春。ある土曜日の昼下がり、通学路の途中にある生垣の向こうから漂ってきた強烈に食欲をそそる匂いが、学校帰りの栞の足を止めます。 そこにいたのは、自宅の庭で一人、メスティンを手に「キャンプ飯」を作る公立高校に通う一年生の悠木航でした。 真面目で控えめな女子校生活にどこか味気なさを感じていた栞と、中学時代のトラウマから放課後は一人でいることを選んだ航。 正反対の二人の距離は、焚き火の温もりと「おいしい匂い」に誘われ、少しずつ重なり合っていきます。 不便さを楽しむソロキャンプの知恵と、とろける焼きマシュマロの甘さ。 どこにでもある住宅街の片隅で、お腹の空くような、温かな青春が始まります。

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カクヨム
カクヨム2026/03/14
  • 現在の作品坂の途中のキャンプファイア