あらすじ
月に二回、八人の少女が集まる。
名前は「問いの会」。
答えのない問いを出し合い、誰も結論を持たないまま帰る、ただそれだけの集まり。
死んだらどうなるの。
神様はいるの。
自由意志は存在するの——。
少女たちは哲学を語っているつもりだった。
でも「存在の証明ができない」と怯える理央は、本当は隣に座る真尋への感情を証明できずにいただけだった。「語りえないなら黙る」と決めた言和が初めて自分から口を開いたのは、律にだけは沈黙していたくなかったからだった。「弱さを嫌う」千影が修学旅行の夜に震えたのは、蓮の手の温度を知ってしまったからだった。
哲学は仮面だった。八つの問いは、八つの迂回路だった。
少女たちが本当に問いたかったのは、たったひとつ。
「この気持ちを、あなたに届けてもいいですか――」
証明できない。
否定もできない。
でも、ここにある。