あらすじ
「あやとりなんて子供の遊びだ。戦えない無能はさっさと消えろ!」
Sランクパーティ『黄金の夜明け』の荷物持ち、糸山網太(いとやま・あみた)は、迷宮の深層でリーダーのゼノスから非情な追放宣告を受ける。
魔法も使えず、剣も振れない網太に与えられたスキルは、前世からの趣味である【あやとり】だけ。
絶望的な状況で一人残された網太。だが、彼が愛用の紐を取り出し、暇つぶしに『四段はしご』を作った瞬間、世界は一変した。
迷宮の天井を貫き、天界へと繋がる巨大な『神の門』が出現し、襲いかかる魔物たちを一瞬で次元の彼方へ消し去ったのだ。
実は網太のスキルは、この世を構成する「因果の糸」を直接操る、神の権能【星界編綴(せいかいへんてつ)】だった。
「……あれ? 今の魔物、どこ行ったんだろう。まあいいか、続き(ほうき)を作ろう」
本人は自分の異常さに一ミリも気づかないまま、指先ひとつで地形を変え、運命を縛り、伝説の聖獣を「あやとり」で手なずけていく。
一方、彼を捨てた元パーティは、網太の「糸」によって維持されていた幸運を失い、破滅への道を転がり落ちていくことに――。
これは、あやとりを愛する無自覚な少年が、知らず知らずのうちに世界を再構築してしまう物語。