あらすじ
深夜の実験中、炎に飲まれた俺——橘 灯真《たちばな とうま》は、
気づけば雪の越後に立っていた。天文19年(1550年)。
戦国の世。
そこで出会ったのは、甲冑《かっちゅう》に身を包んだ「軍神」——
長尾 景虎《ながお かげとら》。
越後の龍。毘沙門天の化身。
戦場において無敗の将。
しかし、その正体には秘密があった。
誰も知らない。知っていいのは俺だけ。
「忘れろ」
「わかった」
——それだけの約束で、俺の異世界人生が始まった。
川中島。敵に塩を送る夜。信玄の死。手取川。
時代の波に揉まれながら、俺はただ一つのことだけを続けた。
傍にいること。それだけを。