あらすじ

嘘をつくと体から花が咲く世界がある。 花は摘めるが、根は地面に残る。 だから庭は、その家の嘘の歴史になる。 庭師見習いのローレルは、花の根を読める。 根に触れれば、誰が誰に、どんな嘘をついたのか、全部わかる。 婚約者の庭に手を触れた日。 薔薇の根が百二十八本。 そのうち六十七本が、私に向いていた。 三年分の嘘。密会。盗用。穏やかな微笑みの下に隠された全部。 婚約を破棄したローレルのもとに、王宮から手紙が届く。 嘘の庭園管理官。 全貴族の庭を巡回し、嘘の蓄積を国王に報告する独立職。 赴任先で出会った前任の管理官は、極端に無口な青年だった。 三年分の手描き庭園地図を渡して、彼はこう言った。 「あなたの読みは、俺の地図を完成させます」と。 嘘だらけの王宮で、一つだけわからないことがある。 国王の花壇に、花が一輪も咲いていない。 嘘がないのか。 それとも、嘘だと気づいていないのか。 その答えを知っているらしい無口な青年は、まだ何も語らない。

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小説を読もう2026/03/14
  • 現在の作品嘘をつくと花が咲く世界で、婚約者の庭だけが満開なんですが