あらすじ
ブラックな建設会社で現場監督として身を粉にして働いてきた盆山茂(49歳)。唯一の癒やしであった「穴掘り動画」を眺めながら過労死した彼は、気がつくと異世界の深い地下空間にいた。
目の前には、一国を滅ぼしかねない実力を持つ最強の魔物・ベアトリーチェと、自らの意志で地下を形作る「ダンジョンコア」。普通なら困惑し、あるいは野望を抱く場面だが、盆山の反応は違った。
「……地盤の補強が甘いな。排水計画はどうなってるんだ?」
49歳のプロ職人としての魂に火がついた盆山は、魔法と現代のDIY知識を融合させ、殺伐とした地下空間を「究極の安らぎの場(サンクチュアリ)」へとリフォームし始める。
ミリ単位の精度で仕上げるステンレス風キッチン、防振・遮音を徹底した和モダンのスイートルーム、そしてカビ一つ許さない清潔な大浴場。
その圧倒的な「こだわり」に惹かれ、当初は呆れていたベアトリーチェや、頑固なドワーフの職人、果ては一国の公爵までもが、安らぎを求めて彼の元へ集まり始める。
これは、人生の折り返し地点を過ぎた男が、スコップ一本で異世界に「心のインフラ」を築き上げていく、癒やしと執念の地下再生ストーリーである。