あらすじ
ようこそ、惑星タルヴァリスへ。
ここは魔法があり、ドラゴンが空を飛び、そして豊満なエルフの美女が暮らす――どこにでもありそうな異世界ファンタジーだ。
すべては女神セレスが思い描いた通りの、美しく理想的な世界。
……街角にある奴隷市場や種族差別さえ見なければ、の話だが。
だが、この絵のように美しいファンタジー世界を維持するには、神の力が必要になる。
幸いなことに、神力はタルヴァリスの住民――タルヴァリアンたちの祈りによって充電できる。
そして、死の間際に捧げられる祈りほど“高品質”なものはない。
だからこそ、時々悪魔の侵略が必要なのだ。
もちろん侵略をやりすぎないように、チート級の異世界勇者も召喚する。
可愛いタルヴァリアンたちが全滅してしまったら困るからね?
――だが今回は、天界の人事部がミスをしてしまった。
アレックス・ソロモンは、十代でもなければ、ハンサムでもない。
そしてもちろん、日本人でもない。
ただの普通のミレニアル世代の男だ。
少し出た腹を抱え、毎日ほとんどの時間を画面の前で過ごしている。
……そう、今これを読んでいる君と同じように。
当然ながら、女神の基準にはまったく合格していない。
その結果、怒り狂った美しい女神はアレックス・ソロモンに呪いをかけた。
彼をオークへと変え、魔界へ追放したのだ。
持ち物はたった一つ。
――地球のインターネットにアクセスできる能力だけ。
悪魔たちの中に放り込まれたアレックスは決めた。
女神が自分を怪物にしたいのなら、
とびきり最悪の怪物になってやろうと。
――“アイデアを持った怪物”に。
ミーム、ウィキペディアの記事、そして偉人たちの誤引用を武器に。
彼と「ムリカ統一悪魔王国」は復讐の旅に出る。
地球で最も効果が証明されている方法によって――
タルヴァリスに
世界平和、自由、そして民主主義を広めるために。
トマホークミサイルを、
一発ずつ撃ちながら。