あらすじ
神様に裏切られたような気分だった。
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わたしがギターを始めた高校時代。
猫背で、あまり学校に来なくて、話しかけるとへラッと笑う先輩は、いつもギターケースを背負っていた。
ギターを弾く時だけ頭のてっぺんで無造作に結ばれる、長めの前髪。
絶妙に着崩された制服。
ピックを咥えたいたずらっぽい笑顔。
歌い終えると、先輩は両手の指でL字を作り、まっすぐに上を指差した。
二丁拳銃で天を撃ち抜くようなこのポーズを、観客たちも次々と真似る。
ライブ会場に無数のピストルが掲げられる光景を、わたしは今でも昨日のことのように思い浮かべることができる。
今のわたしにとってギターはすべてであり、そして、わたしをこちら側に導いたのは紛れもなく先輩だ。
なのに、ずるいよ。
自分だけ、勝手にわき道にそれていなくなってしまうなんて。
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あるギター少女の甘く苦い青春と、大須に暮らす人々の温かさを描いた短篇小説。
※前後篇完結。