あらすじ

神様に裏切られたような気分だった。 *** わたしがギターを始めた高校時代。 猫背で、あまり学校に来なくて、話しかけるとへラッと笑う先輩は、いつもギターケースを背負っていた。 ギターを弾く時だけ頭のてっぺんで無造作に結ばれる、長めの前髪。 絶妙に着崩された制服。 ピックを咥えたいたずらっぽい笑顔。 歌い終えると、先輩は両手の指でL字を作り、まっすぐに上を指差した。 二丁拳銃で天を撃ち抜くようなこのポーズを、観客たちも次々と真似る。 ライブ会場に無数のピストルが掲げられる光景を、わたしは今でも昨日のことのように思い浮かべることができる。 今のわたしにとってギターはすべてであり、そして、わたしをこちら側に導いたのは紛れもなく先輩だ。 なのに、ずるいよ。 自分だけ、勝手にわき道にそれていなくなってしまうなんて。 *** あるギター少女の甘く苦い青春と、大須に暮らす人々の温かさを描いた短篇小説。 ※前後篇完結。

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エブリスタ
エブリスタ2017/06/05
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