あらすじ
3月14日、円周率の日。数学研究部の綾は「πみたいに終われない恋」を終わらせる決意で、卒業した奏多先輩に会うつもりでいた。部の恒例「円周率暗唱チャレンジ」でも、綾は先輩の言葉を思い出して途中で止まってしまう。
放課後、部室に来た奏多先輩に見抜かれる。「終わらせる顔してる」。屋上へ行った綾は、片想いは勝手で迷惑だと告げ、恋を“正しい形で終える”方法を探していたことを打ち明ける。だが奏多は言う。終わりの数字がない円周率に、終わりの言葉はいらないのだと。
奏多が取り出したのは、綾が去年渡したメモ「3.1415926… 続きはまた明日」。捨てられなかったその紙片に、綾は勇気を出して「好きです」と告白する。奏多は微笑んで答える。「じゃあ、終わらせない方で」。
二人は円周率の続きを言い合い、部室の黒板に“続き”を書き足していく。
終わらない数の横で、終わらない恋が、約束に変わる。