あらすじ
善意が『それ』を呼び寄せた。
◇
大学生の陽菜(ひな)は、地域の秋まつりで行われる「名残切り」に向け、資料を探しに図書館へ足を運んだ。
一人の男子生徒に声をかけられ、名前も聞けないまま、陽菜は『彼』と言葉を交わすようになる。
春。善意でリポストした捜索投稿が、彼女のタイムラインを埋め尽くし始めていた。
揺れのある情報、画質の荒い画像、支離滅裂なハッシュタグ。『誰か』の輪郭だけが、静かに色濃くなっていく。
ある日、
その輪郭の一部が『彼』と重なってしまい──
見つけたいのは誰か。
見つけられるのは誰か。
名残を切るのは──どちらなのか。