あらすじ
長野県の地方都市で暮らす高校生・最上葉遠(もがみ・はおん)。
教師や医師、警官を輩出してきた家に生まれ、彼もまた、親の敷いたレールの上を疑問なく歩いてきた。
成績は悪くない。勉強も嫌いではない。
それでも、彼の見る世界はどこまでもモノクロだった。
受験勉強の夜、何気なく流していた深夜ラジオ。
初めて耳にする声と、生放送の空気。
そして、衝動的に送ってしまった一通のメール。
「このまま、死んでいくのだろうと思います」
思いがけず番組内で読まれたその言葉は、葉遠自身の名前を呼び、彼の止まっていた時間を静かに動かし始める。
声と言葉が、人の人生を照らすことがある。
これは、夢を持つことを諦めかけていた少年が、
“自分の人生を選び取る”一歩を踏み出すまでの物語。