あらすじ
三ヶ月で追い出される前に、君をお肉のついた検体に仕上げる!
命を救ってくれた「きらきらの王子様」の眩しさに耐えられなかった骨の髄までアート系な私。
次に現れたのは、ナースたちから「微妙」と敬遠される、ちょっとダークな雰囲気ね主治医・三村先生だった。
偏差値70超えの精密理系脳なのに、情緒は小学生並みのバグだらけ。
動揺すれば成分表示を連呼し、語彙が足りずに血液の芽細胞は「あかちゃん」、煮豆を「おまめ」と丁寧に呼ぶ。
ほぼ横を向いたり壁に向かって喋りながらいつも後頭部しか見えず爆速で去っていく彼の不器用さを、芸大出身の私は、私の世界には居なかった理系の珍獣をめでながら、近距離推し活として個性の塊な彼を観察し始める。
しかし、その「ズレまくった優しさ」はやがて、ドSスパルタ教育へと変貌する。
穿刺(せんし)を口実に退院を拒み、35kgの私を「合法的に拘束?してフードファイトとうつ伏せ修行を強いる超ドSなファントム。
これは、きらきらの光の王子様には理解不能で見捨てられた闇が深い表現者が、笑いの神に愛された「バグり散らかした理系医師」の大きな手のひらの温かさによって、一歩ずつ世界へ生還するまでの、少し歪で愛おしい再生の記録の物語