あらすじ

母の声が、少しずつ変わっていく。 それに気づいたのは、もう誰にも言えないくらい遅かった。 二十六歳のカナタは、ある日の電話で、長年聞き慣れた母の声にわずかなずれを感じる。言葉にできない、でも確かに何かが違う。その感覚を抱えたまま実家へ向かったとき、現実と幻想の境界が、静かに、しかし確実に溶け始める。 優しかった母は、変わったのか。 それとも、変わったのはぼくの方なのか。 灰色の空、終わりのない廊下、音程を失っていく鳥の声。 崩れていく世界の中で、カナタはひとつの問いに辿り着く。 自分が見ていたものは、本当に「現実」だったのか、と。

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カクヨム
カクヨム2026/03/13
  • 現在の作品カナリア讃歌