あらすじ
母がうつ病だった。
ある日、学校から帰ると、母は自分の部屋で首を吊っていた。
助けられなかった。
何もできなかった。
それ以来、古賀悠馬の心は止まったままだった。
高校に入学した悠馬の隣の席になったのは、明るくよく笑う少女、小倉那奈。
最初は距離を取っていた悠馬だったが、どこか強引で優しい那奈に、少しずつ心を動かされていく。
しかしある日、那奈は言う。
「私の母もうつ病なんだ」
やがて悠馬は知る。
那奈もまた、壊れそうな過去を抱えていることを。
そして彼女は覚えていた。
精神病院の待合室で、泣いていた自分に声をかけてくれた少年の言葉を。
――「生きてれば、いいことある」
壊れた過去を抱えた二人が、もう一度生きていくことを選ぶ物語。