あらすじ
「息子が、帰ってこないんです」
一通の切実な依頼から、ルポライターの私はある失踪事件を追い始めた。
海外ひとり旅に出たきり音信不通となった大学生。
宿泊先、移動手段、現地の足取り……。執念の調査を続けるも、彼は煙のように消え失せていた。
しかし数週間後、事態は最悪の形で動き出す。
断崖絶壁の下で発見された彼の遺体。それは、数週間の空白を感じさせないほど「綺麗」なままだった。
外傷もなく、腐敗すらしていない。まるで眠っているかのような姿。
だが、現地の監察医が執刀した瞬間、驚愕の事実が露わになる。
彼の体内からは、心臓も、肺も、五臓六腑のすべてが消失していた。
それどころか、一滴の血液も、思考を司る脳髄さえも――。
誰が、何のために、彼を「空っぽ」にしたのか?
闇に葬られた禁忌の儀式か、それとも冷徹な科学の暴走か。
戦慄のノンフィクション・ミステリー、ここに開幕。