あらすじ
【鑑定】——それは、戦闘力ゼロの最弱ハズレスキル。
ベルシュタイン伯爵家の次男アルトは、15歳の儀式でこのスキルを授かった。 家族から「伯爵家の恥」「役立たず」と嘲笑され、誰も住みたがらない辺境の荒れ地へと追放されてしまう。
しかし、アルトは全く絶望していなかった。 むしろ「よっしゃ、自由だ!」と内心ガッツポーズをしていた。 なぜなら彼は、この世界と酷似したゲームを7,000時間やり込んだ前世の記憶を持つ廃ゲーマーだったからだ。
「みんな知らないのか? 【鑑定】は全スキルの『バグ技』が見える最強のチートスキルなのに」
この世界のスキルシステムには、隠しパラメータや裏ワザが無数に眠っている。 アルトの【鑑定】には、その正規の使い方ではありえない「想定外の挙動(バグ)」がすべて丸見えだった!
アルト自身は一切戦わない。 だが、彼がゲーム知識で「ありえない使い方」を指示した瞬間、仲間たちは常識外れのバケモノへと進化する。
没落騎士の少女はバグで斬撃を二重に発生させ、 エルフの薬師見習いは禁断の調合で万能薬と超素材を量産し、 追放された魔術師は空中に足場を作ってインフラを爆速で整備していく。
「いや、それ仕様じゃなくてバグなんだけど……まあ便利だからいっか!」
アルトの的確なプロデュースにより、最底辺だった辺境の領地はあっという間に最強の都市へと急成長。 その噂を聞きつけ、かつてアルトを追放した兄や王都の権力者たちが手のひらを返してすり寄ってくるが、時すでに遅し。 彼らのスキルの弱点すらも【鑑定】で見抜いているアルトの前では、手も足も出ずに自滅していくのだった。