あらすじ
志島大学に通う白石陽菜は、地域連携プロジェクトに参加する。秋祭りの企画「名残切り」の準備で足を運んだ図書館で、帽子の学生──“トウヤ”と出会った。
春。善意で拡散した捜索投稿が、彼女のタイムラインを埋め尽くし始める。
同じ文面のはずなのに、名前も年齢も住所も、どこかが噛み合わない。
画質の荒い画像。支離滅裂なハッシュタグ。
見つからないはずの“誰か”の輪郭だけが、静かに濃くなっていく。
ある日、その輪郭の一部が──“トウヤ”と重なってしまった。
興味なし、ミュート、ブロック。逃げるほど、像は静かに“固定”されていく。
見つけたいのは誰か。
見つけられるのは誰か。
名残を切るのは──どちらなのか。