あらすじ
恋愛劇の開幕まで、残りわずか一時間二十八分。庶民育ちのヒロインが王子と出会い、悪役令嬢に睨まれながらも試練を越えて結ばれる――そんな古典的な学園恋愛譚は、完璧な舞台を整えたまま、静かに開始時刻を待っていた。だがその舞台裏で、進行管理役であるクロードが見つけた一枚の発注書が、すべてを狂わせる。本来、背景を埋めるためのモブ令嬢を千体手配するはずが、なぜか発注済みになっていたのは――悪役令嬢、千体。取消不能、停止不能、開始時刻の延期も不可能。しかも、ヒロインたちに事情を説明している時間すらない。このままでは、王立学園恋愛譚そのものが崩壊する。追い詰められたクロードが下した結論は、たったひとつだった。