あらすじ
「カイル、俺を救えるのは君だけなんだ!」
泣きついてきたのは、美しすぎる我らが第二王子・ルシアン。
彼は自分が『乙女ゲームの悪役』であり、破滅エンドに向かっていると主張する。
――正直、知ったことではない。
俺はただのモブ騎士であり、平穏に給料をもらって過ごしたいだけなのだ。
しかし、この主君は放っておくとすぐに自爆する。
聖女に嫌われようとして自爆し、暗殺者に狙われて自爆し、最後には第一王子の断罪ルートに自ら突っ込んでいく。
「……勝手に死なれると、寝覚めが悪い」
俺は剣を抜いた。
自分を悪役だと信じ込み、俺にだけは犬のように懐いてくる困った主君のために。
襲いかかる攻略対象、聖女の陰謀、そして世界を縛る『シナリオ』。
全てをこの「汚れた剣」で叩き斬り、俺はあんたを、最高に騒がしい生還へと導いてやる。
――これは、死にたがりの王子と、死なせたくない騎士が紡ぐ、執着と救済の異世界ファンタジー。