あらすじ
都会まで電車で三十分ほどの、少し田舎の町で育った一人の少年。
小学生のころは特別な出来事もなく、普通の生活を送っていた。
しかし中学一年生の健康診断で、突然「不整脈」が見つかる。
それまで何とも思っていなかった自分の体に問題があることを知り、少年の学校生活は少しずつ変わっていく。
体育の授業では途中で抜けることが増え、周囲からは「ずるい」と思われることもあった。
さらにクラスの出来事や担任とのトラブルをきっかけに、少年は「人を簡単に信じすぎてはいけない」と感じるようになる。
中学二年・三年と進む中で、体調の問題や人間関係の悩みを抱えながらも、少しずつ自分なりの生き方を考えるようになる。
コロナの影響を受けた特別な学校生活の中で、友達との時間や日常の出来事が少しずつ思い出になっていく。
やがて高校に進学すると、新しい環境の中で再び人間関係を築いていくことになる。
過去の経験から人と距離を取っていた少年だったが、少しずつ周囲との関わり方を学び、自分自身について考えるようになる。
そして大学へ進学し、これまでの出来事を振り返ったとき、少年は気づく。
中学生の頃に感じた苦しさや不公平だと思った出来事も、すべてが今の自分を作ってきた経験だったのだと。
田舎で生まれ育ち、体の問題や人間関係に悩みながらも成長していく一人の青年の物語。
それは、何気ない日常の中で「今を生きること」の大切さを見つけていく記録でもある。