あらすじ

近未来。 人間の内側には、個々の現実認識を保つ中枢「感覚核(コア)」が存在することが発見された。 感覚の均衡が崩れたとき、核は歪み、人は現実から逸脱した存在「感覚逸脱体(SENSE OUT)」へと変質する。 それは怪物ではない。 誰にでも起こり得た、人間の末路だった。 逸脱体の対処を担うのは、五感のいずれかが極端に強化された者たち――感覚特化者。 彼らは専用の装備を用い、敵の核に干渉し、その歪みを“正す”ことで人間を現実へ引き戻す。 しかし能力の使用は、自らの感覚バランスをも侵食する諸刃の力だった。 主人公・古屋正人(ふるや まさひと)は、五感のどれにも属さない希少能力「第六感(コアセンス)」の保持者。 それは、核の「現在の形」と「本来あるべき形」を同時に知覚し、その形になってしまった原因を理解したときのみ、核を完全に修復・再構築できる唯一の力。 だが核に触れるたび、彼自身の五感は少しずつ輪郭を失っていく。 任務を重ねる中、主人公たちは知る。 世界各地で逸脱体の発生率が異常増加していること。 そしてその裏で、人類の感覚そのものを“最大化”しようとする存在「完全感覚統合体(パーフェクト・センス)」が動き始めていることを。 その存在の思想は、あまりにも静かで合理的だった。 「人間の苦しみは、感覚の誤認識から生まれる」 「ならば、すべての感覚を最大化すればいい」 逸脱も、葛藤も、後悔も存在しない世界。 それは救いなのか。 それとも、人間という存在の終わりなのか。 人間は、不完全なままでいるべき存在なのか。 核に触れるたび、世界と自分の輪郭が薄れていく中、少年は最後の選択を迫られる。 救済か。 尊重か。 その一触が、人類の定義を書き換える。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/04/01
  • 現在の作品SENSE OUT