あらすじ
――その祈りは、誰も救わない。
千年の歴史を誇る聖女制度。
人々を癒やし、国を守る“奇跡”の力は、いつしか絶対の正義として崇められていた。
だが、今代の聖女アルディラは、祈らない。
祈ることを拒否した彼女は、「悪逆聖女」と呼ばれ、民衆からも教会からも忌み嫌われていた。
それでもなお、彼女は祈らない。
何故ならその祈りが、世界の歪みを生み出していると知っているから。
そんな彼女の前に、バロンと名乗る新しい護衛が現れる。
彼もまた、秘密を抱えていた。
偽りの聖女と、仮面の護衛。
交わるはずのなかった二人が出会うとき、千年続いた“祈り”の真実が暴かれる。
これは、救いを拒んだ聖女が、本当の救いに辿り着くまでの物語。
そして――世界を裏切る覚悟を決めた者たちの、反逆の記録。