あらすじ

帝国史上最強と謳われた聖女リナリアは、ある日突然、何の説明もないまま北の果ての森へと追放された。 武器もなく、仲間もなく、残ったのは小さな荷物ひとつ。 それでも彼女が最初にしたことは——祈りではなく、焚き火だった。 誰かのために使い続けてきた魔力を、今日は自分のために使う。 不格好に焦げた焼き芋を一口食べた時、リナリアは初めて気づいた。 私、まだ、味がするんだ。 傷ついた銀の狼、毒舌だけど甘いものに目がない妖精、そして次々と現れる「敵のはずの者たち」——。 彼らを変えていくのは、剣でも魔法でもなく、食卓から漂う、あまりにも暴力的に良い匂いだった。 使い潰された聖女が、追放先の森で取り戻していくのは、 誰かの道具ではない、自分自身の温かさ。 最強の魔力は、今日もパンを焼くための温度管理に使われている。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/04/01
  • 現在の作品辺境の「おすそわけ」食堂 ~最強聖女だった私は、追放先の森で魔王軍の胃袋を掴むことにしました~