あらすじ
魔王討伐記念パーティーで一人の老人が亡くなった。
彼の名はレーゼンホルス。魔王討伐の英雄にして魔法研究の第一人者だった。
高齢による突然死と考えられていた彼の死因。
だが、それに異を唱える少女たちがいた。
万焼のファイニーナ。
嵐閃のピカトレア。
冷瀑のグレッサ。
英雄に弟子として育てられ、今や優秀な魔法使いとなった彼女たちが、広場の市民に告げる。
「ホルスは殺されたの」
「食事に毒を混ぜるとか、やりようはあるじゃんね?」
「もしこのまま犯人が見つからなければ、先生の国葬が終わり次第、私たちはこの国を出ます!」
その演説を聞きながら、とある少年は頭を抱えてしまった。
名前はサナト。平凡なパン屋の息子――のはずだった。
「もしや、レーゼンホルス様なのですか?」
「いかにも」
その身に宿るのは、死んだはずの英雄。
しかし、喜んではいられない。
転生魔法で蘇った彼に残された時間は、たったの五日。
果たして彼は、限られた時間で自身の死の真相を解き明かし、弟子たちの出国を止めることができるのか?
「儂の転生魔法は不完全すぎる」
これは英雄と呼ばれた男の、死から始まる終活物語である。