あらすじ
ファルシオン王国の星詠み・アルシェーラは、数年先の未来を見通せる特異な力の持ち主。しかし『国の滅亡』という真実の凶兆を予言した結果、王室から「謀略の魔女」と蔑まれ、極寒の雪山へと永久追放されてしまう。
雪の中で死を覚悟した彼女を救ったのは、隣国ドレヴァン公国の辺境伯・ティグルスだった。
戦場では「氷雪の狂獣」と恐れられる彼だが、なぜかアルシェーラには驚くほど過保護で甘い。
実はティグルスは、10年前に領地を未曾有の冷害から救ってくれた「匿名の星詠み」をずっと探し続けていたのだ。そしてその恩人こそ、幼き日のアルシェーラで――。
「指一本たりとも触れさせるつもりはない。この女は我が領の誇り高き星詠みだ」
祖国に無能と見捨てられた少女は、辺境の地で自身の力を開花させ、領民たちから深く愛されていく。
やがて、真実の予言通り天災に直面した祖国が、掌を返してアルシェーラの引き渡しを要求してくるが、時すでに遅し。
天才星詠みの予測と最強辺境伯の戦術の前に、祖国の軍勢は手も足も出ず崩壊していく。
これは、全てを奪われた不遇の星詠みが、不器用で優しい辺境伯に溺愛され、本当の幸せと居場所を手に入れるまでの物語。