あらすじ
「急行で三十分。都会になりきれないこの街に、
魔法なんてあるはずなかった」
期末テスト前夜、絶望に暮れる
女子高生・白石 紬(しらいし つむぎ)は、
住宅街の路地裏でレンガ造りの奇妙な店
『ロカシオン・マギ』に迷い込む。
そこで出会ったのは、驚くほど端正な顔立ちをした店主、
九条 櫂(くじょう かい)。
彼はさわやかな微笑みを浮かべ、淡々と言い放つ。
「魔法、貸してます。お試しに指輪はいかがですか?」
彼から譲り受けた銀の指輪に、一回千円でチャージされる魔法
『追憶(リマインド)』。
その圧倒的な効能に酔いしれる紬だったが、
魔法の真実を知り愕然とする。
それは、一回の起動で消えてしまう「使い捨て」の契約だった。
「全教科カバーしたい? それなら五千万円の指輪が必要ですね」
さわやかな笑顔で法外な価格を提示する美青年と、
魔法の全能感に翻弄される紬。
中途半端な街の片隅で、女子高生のサイフと日常が
、静かに狂い始める