あらすじ
ある夏の日、三人の風変わりな旅人が山あいの小さな村を訪れた。彼らは、触れるとどんなけがや病も治してしまう「ルビーのうさぎ」を連れていた。病に伏す幼い「延蔵」は、宝石のうさぎの治療を受ける。
無事に回復した延蔵は、旅人になることを夢見るようになる。やがて月日がたち、青年になった彼は宝石のうさぎが姿を現す「試練の山」への挑戦を決意する。
早朝に村を出立した延蔵は北に向かって山を越えていき、日が沈むころになってようやく小さな温泉街へとたどり着いた。目的の試練の山はこの温泉街のすぐそばにそびえ立っていた。
延蔵は、挑戦者の多くが寝泊りするという宿屋を訪れた。しかし、挑戦者たちのぶしつけな態度を嫌った彼はその宿を後にする。そして、気まぐれに訪れた試練の山の登山口で、挑戦者の「風次郎」と「ハナ」に出会う。彼にとって、二人は初めての気の合う存在であった。
翌朝、別の宿にそろって宿泊した三人は試練の山に挑んだ。登山口に建つ白い鳥居が日の出とともに透明に輝き始めると、その場に集う挑戦者たちは一斉に石階段を駆け上がった。雲が山肌をかすめる場所まで登り詰めた延蔵は早々にルビーのうさぎと遭遇する。しかし、そのうさぎは非常に足が速く、彼の脚力では到底捕まえることができなかった。
やがて山の奥深くまで踏み入った延蔵は、負傷した風次郎を見つける。彼の周囲には、かつて挑戦者であったはずの白骨化した亡きがらが転がっていた。
風次郎は延蔵に、自分のことは見捨てるよう告げた。しかし、彼はそれを拒否し、風次郎を連れて下山することを決断した。その時、近くの茂みから青い小さなうさぎが姿を現した。彼は得意の投てきで石ころを投げると、見事うさぎに命中させ、捕まえることに成功する。
延蔵は、捕まえた「サファイアのうさぎ」の力で風次郎のけがを治すと、二人は、ハナの歌声が聴こえる山のさらに奥深くを目指し、共に駆け出した。