あらすじ

フランス・リヨンは、その旧市街全体がユネスコの世界文化遺産に指定された美しい都市だ。そのリヨンのクロワルッス地区に住むクレモン、チボー、アレックスは現代の普通の中学生。リヨンの街で特に特徴的なのは、歴史遺産であり、建物の中を通り抜ける抜け道、トラブール。このトラブールで不思議なことが起こるという。 ある日クレモンたちは、旧市街地区のトラブールを探索していた。多くの美しいトラブールを三人で駆け巡っていたが、あるトラブールから中世のリヨンへタイムスリップしてしまう。たどり着いたところは織物職人が働くトラブールだった。そこで、セバスチャン・グリフという印刷組合の組合長とクロードと言う機織職人に出会う。このおかしな三人の服装と「自由」という言葉に興味を持った二人が、彼らの世話をしてくれることになった。 グリフは、人文主義者エチエンヌ・ドレが好きで、よく彼の話をした。印刷屋でもあり、自由な発想を好んだ思想家でもあったドレは、多くの知識人と交流を持ち、女性詩人として名高く「縄屋小町ベル・コルディエール」の異名を持つルイーズ・ラべとも気がおけない仲であった。しかし、その自由思想が当時のキリスト教権力から疎まれパリのモベール広場で処刑される。グリフは逆に、リヨン派詩人界の巨頭モーリス・セーヴは大嫌いだったが、その彼はアンリ二世のリヨン入市を采配したとき、アレックス少年に槍試合で敗れ、失脚していく。 当時は、予言者ノストラダムスが生きた時代でもあった。医師でもあった彼は何度となくリヨンを訪れ、グリフのもとへもたびたびやってきた。その彼が不思議な詩を残していったのだが、それは実は予言であり、それが的中し、なんと処刑されたはずのドレが再び生きてグリフのもとへ帰ってきた。 ドレの復活を目の当たりにしたクレモンは、タイムスリップの仕掛けに気付き、自分たちが現代に戻るためのアイデアを思い付いた。そこには伝説の動物、グリフォンが関わっていた。 フランス16世紀の実在の人物と事件という馴染みの少ないテーマにファンタジーの要素を加え、過去と現在のリヨンの魅力を余すところなく伝える歴史小説。

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カクヨム
カクヨム2016/01/04
  • 現在の作品クレモンとトラブール-フランス・リヨンの中世物語