あらすじ
全寮制の最新鋭学び舎、天李(てんり)高等学校。
期待と不安を胸に入学した篝火 養(かがりびよう)は、ルームメイトとなった天命 慶霞(てんめいきょうか)の、おっとりとした「ワンコ系お兄ちゃん」な雰囲気にすっかり安心しきっていた。
しかし、入寮からわずか数時間。
隣の部屋でクラスメイトが遺体となって発見される。
「将来を悲観した自殺」として処理されようとする中、直感型の養だけは違和感を抱き、教師の制止を振り切って現場へと突っ走る。
「……ありえない。あいつが、自分で死ぬわけないだろ!」
証拠を求めて部屋を物色する養。
その背後、野次馬で溢れる廊下の隅で、慶霞が誰にも聞こえないほど小さな声で呟いた。
「……自殺ならもう少し座高の高い椅子を使うでしょ。何で警察はそんな事にすら気付かないんだろう」
その一言を、養の鋭い聴覚が拾い上げる。
穏やかな笑顔の裏に、底知れない観察眼と推理力を隠し持つ慶霞。
「お前……今、なんて言った!?」
学校で起こる一見すると、繋がりのない不可解な事件。
その裏に隠された泥臭い人間関係が彼らの手によって暴かれていく。
綺麗な美談に隠された、彼らの想いとは?
凸凹な二人の、奇妙で危ういルームシェアと事件簿が、今ここから幕を開ける―――。