あらすじ
町外れのパン屋の娘、フィーネ・メヌエット。
平民でありながら、彼女はピアニストとして類まれなる才能を持っていた。
十八歳のある日、フィーネは難関である宮廷音楽家の試験に合格し、王城で働くことになる。
初めての仕事は、華やかな舞踏会での演奏。憧れ続けたおとぎ話のような世界に胸を躍らせながらも、彼女は音楽家として堂々と舞台に立つ。
しかし演奏の最中、ふと視線を向けた先で、王子と目が合ってしまう。
その瞬間、フィーネの脳裏に蘇ったのは、かつてピアノコンクールで出会い、心ない言葉を投げつけてきた少年の記憶――そして、その少年こそがヴィエナ王国第一王子ベルであるという事実に気づくのだった。
戸惑うフィーネに対し、ベルはなぜか過去を覚えていない様子で距離を縮めてくる。
さらには音楽会での連弾を提案され、断ることもできず、二人きりの練習の日々が始まることに。
身分違いの関係、すれ違う過去、そして音楽で繋がる現在。
やがて二人の距離は少しずつ変化していき――。