あらすじ

遅刻や忘れ物ばかりで、何をやってもうまくいかない高校生の安藤杏。 定型的な「普通」の枠からはみ出し、世界が灰色に見える彼女は、厄払いに訪れた神社で一つ上の先輩・中田啓治と出会う。 ひょんなことから美術部に入部し、キャンバスに向かう「過集中」という自分だけの才能を見出す杏。しかし、彼女は気づいてしまう。 誰もが振り返る風貌で、確かな画力を持つ中田が、なぜか「自分の本当の色」を頑なに隠し、他人の目を気にしたような息苦しい絵を描いていることに。 社会のルールに縛られ、自分らしさを失っていく二人。 それでも杏は、衝動のままに不器用な手を伸ばし、先輩のキャンバスに問いかける。 「先輩の色使い、好きです。自分に嘘をつかないでください」 空気が読めない少女の真っ直ぐな言葉が、論理で塗り固められた少年の世界を打ち砕く。 これは、社会から浮いてしまうはみ出し者の少女と、本当の自分を隠し続ける少年が、キャンバスの上で自分たちだけの「色」を見つけ出す、喪失と再生――そして、不器用な恋の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/03/31
  • 現在の作品朱夏色のキャンバス ~灰色の世界で生きる私は、先輩の痛いほど鮮やかな赤に恋をした~