あらすじ
幕末の剣士として生きた記憶を持ったまま、現代に転生してしまったら……。
佐伯朔は普通の女子高生だ。陸上部のエースで、コーヒーが好きで、幼馴染の少女と笑い合う日常を愛している。
ただ一つ、毎晩同じ夢を見ることを除けば。
知らない部屋。
知らない刀。
知らない誰かと斬り合うその夢の中で——自分は、笑っていた。
横浜市内で続く連続殺人事件。刃物による傷口が刀に酷似しているという噂が飛び交う中。刀を翳す影と出会うことで、眠り続けていた記憶が目を覚ます。
そして前世の記憶が、堰を切ったように溢れ出した。
「私は、新撰組一番隊隊長。沖田総司だ」
過去を超え、前世とは異なる性で転生した剣士達が現代に集い、刃を交える。
しかし朔にとって、最大の問いはそこにはなかった。
斬ることで高揚する自分と、幼馴染と笑い合う日常を守りたい自分。相反する二つの感情を抱えながら、それでも彼女は走り続ける。
陽が落ちた、闇夜が支配する藍色の空に血の咲く刻。
誠を胸に宿す少女は何を想う。
これは斬ることの業を背負いながら、日常を愛し続けようとした少女の物語。
転生×剣豪×少女。
新解釈剣戟譚、いざ開幕。