あらすじ
死後ブラックバイト、始めました。
女子高生・影森ゆらは、ある日突然、怪異事件に巻き込まれて死んだ。
……のだが、完全には死ねなかった。
目を覚ますと、見知らぬ事務所。正面には、顔だけ完璧に整っているくせに中身が終わっている男——
怪異相談屋・夜見朔夜(よみ・さくや)。
「蘇生費と、呪具の破損費。合計してこれだけね。払えないなら、ここで働いて」
こうしてゆらは、借金のカタに《夜見よろず相談事務所》で強制労働させられることになった。
業務内容は怪異相談、心霊配信の囮、現場調査、呪物の処理……そして必要なら死後の身体のまま怪異の内側へ潜ること。
時給三百円。危険手当なし。死亡中は休憩扱い。
「休憩じゃないし! 普通に死んでたし!」
怖い。痛い。もう二度と死にたくない。
こんなバイト、絶対に続けたくない。
それでもゆらが逃げ出せないのは、困っている人を放っておけないから。
そして朔夜が——どこまでも利用しているくせに——本当に取り返しのつかない瞬間だけは、必ずゆらを助けてしまうからだ。
この街には、怪異が入り込む"薄い場所"がある。
その場所に、ゆらは何度でも引き寄せられていく。
今日も配信は始まる。画面の向こうに、何かがいる。
死んでる場合じゃない——って、もう死んでるんだけど!
●ホラー×コメディ。怖くて笑えて、なぜか温かい――そしてちょっぴり切ない怪異バイト物語。