あらすじ
聖女の涙は、大地を潤す光の雫――。だが、エルゼが流すのは黒く濁った「泥」だった。
「不浄の娘め、二度と顔を見せるな!」
婚約者の王子と実妹に裏切られ、汚物のように森へ捨てられたエルゼ。だが、絶望の中で彼女を拾い上げたのは、触れるものすべてを枯らす「死神」と恐れられる隣国の皇帝ヴィルフリートだった。
彼はエルゼの泥を「甘い」と啜り、彼女を帝国の至宝として抱きしめる。
実はエルゼの泥は、世界の穢れを一身に引き受ける「浄化の最終形態」だったのだ。
彼女を失った王国が疫病と枯渇に沈む中、エルゼは皇帝の腕の中で、かつてないほど美しく開花していく。