あらすじ
日本のどこかにある、東上西下凹凸学園及びそれを有する学園都市には奇妙なことが多発する。
有名なものでいえば〈願叶憂晴のポスト〉というものがある。その名の通り、願いを叶えて憂いを晴らす不思議なポスト。
しかしその実体は、高等部二年の賽胸祠京介と九頭龍凰華、中等部二年の射手矢奏杜、初等部五年の伊腹部円香、生徒会顧問の鴨脚地凛によって構成された組織であった。
超常現象とは人の心が物理世界に影響を与えて起こる現象だ。人は常に願いを抱え、憂いを抱えている。それらが様々な形で顕現するのが、ここでいう不思議な現象で――それを解決するのが〈願叶憂晴のポスト〉の役割だった。
今回の依頼者は中等部の二年D組に数週間前にやってきた転校生。名前はノイズにより判別不能なため、仮にXXXと置く。
彼は転校前の記憶は無く、学園を出るとその記憶を失うという一風変わった記憶喪失だった。
そんな時クラス委員長の飯島から〈願叶憂晴のポスト〉の話を聞く。滅多に見つからないとされるそれを奇跡的見つけることができたXXXは相談を書いた手紙を投函した。
翌朝、机の中に手紙を発見、〈願叶憂晴のポスト〉と共に調査をすることとなった。
しかし、検証のため学外に出るとXXXが消失したり、再び学園に入れば現れたり、家族や家がなかったり、と奇妙なことが立て続けに起こる。
そこで一晩学園で過ごしてみると、記憶はしっかり残っていた。
そして遂に一つの真相に辿り着く――D組の“集合的無意識がXXXを創造した”のだ。
しかし何故創ったのかという謎は残ったまま。
だがXXXはその理由を暴かなかった。
〈願叶憂晴のポスト〉の面々もそれが良いと思った。
自分とは何者なのかを探した彼は何者でもなかったという結論に笑った。
これからどんな自分になってやろうか、と胸を張って踏み出した。
これは〈願叶憂晴のポスト〉を中心に繰り広げられる、依頼者がいつか与太話として語るための青春物語。