あらすじ
“氷の上司の息子”が主役になったとき、恋はもっと不器用で、もっとまっすぐになる。
――それが、この《悠真編》。
本編で描かれた舞子と誠の息子・本庄悠真。
整った容姿、冷静な判断力、隙のない立ち振る舞いから、周囲には「氷の貴公子」と呼ばれる存在。
けれどその内側には、誰よりも不器用で、まっすぐな想いを抱えた“普通の少年”がいました。
そんな彼が出会ったのは、静かで優しく、少しだけ勇気を持った少女――谷川ひより。
図書室での何気ない会話。
体育祭での一瞬の接触。
バレンタインやホワイトデーで交わされる“想いの答え”。
特別な言葉がなくても、確かに伝わっていく感情。
近づきたいのに踏み込めない距離。
それでも少しずつ、確実に変わっていく関係。
悠真は決して「恋が上手い」わけではありません。
むしろ、どう向き合えばいいのか分からず、照れや戸惑いをそのまま抱えています。
けれどだからこそ――
その一言、その行動、その選択すべてが、まっすぐで、嘘がない。
そして、彼を取り巻くのは個性豊かな家族たち。
全力で愛情をぶつけてくる母・舞子。
静かに見守りながら背中を押す父・誠。
騒がしくも温かい“家族の空気”が、悠真の不器用な恋を支えていきます。
この物語は、派手な展開よりも、
“日常の中で少しずつ育つ想い”を大切に描いた青春恋愛譚。
触れた指先。
交わした視線。
言葉にならない「好き」。
そのすべてが積み重なって、やがてひとつの答えへとたどり着く――。
不器用だからこそ、愛おしい。
まっすぐだからこそ、心に刺さる。
これは、“氷の貴公子”が、
たった一人の女の子の前でだけ、少しずつ“温度”を持っていく物語です。