あらすじ
ゲームとスマホに囲まれた毎日を過ごす、中学二年の奥田 隆二(おくだりゅうじ)
人と関わることを避け、外に出る理由もないまま、ただ時間だけを消費していた。
そんなある日、母親に無理やり床屋へ行かされる。
ぶっきらぼうな店主に髪を切られ、流れで顔剃りをされることになった彼の前に現れたのは、店主の娘だった。
近すぎる距離、やわらかな声、初めて向けられる“ちゃんとした優しさ”。
それは、彼の止まっていた時間を少しだけ動かすには十分だった。
もう一度、あの場所に行きたい。
もう一度、あの子に会いたい。
その気持ちをきっかけに、隆二はほんの少しずつ、自分を変え始める。
これは、何もなかった日々にひとつの“理由”が生まれた、はじめての恋の物語。