あらすじ
歓声は、いつも彼に向けられていた。
だがその音は、“声優”としての自分ではなく、
“顔”に向けられたものだった。
整いすぎた容姿で人気を集める声優・白瀬玲。
ステージに立てば歓声は上がる。
しかし彼の中には、消えない違和感があった。
——その歓声、本当に俺に向いてるのか。
そんな中で出会ったのは、
“声では売れない役”と、
“声だけで頂点に立った男”。
すべてを削ぎ落とし、声だけでぶつかり合う現場で、
白瀬玲は選ぶ。
人気でも、評価でもない。
“本物”になるための演技を。
それは時に、嫌われる覚悟を伴う選択だった。
それでも——
その声は、確かに誰かに届いていく。
これは、“顔で売れている男”が、
歓声のその先で、本当の価値を見つける物語。