あらすじ

三十五歳、大企業の経理課長・詩稀(しき)は、誰からも信頼される“できすぎた女”だった。 かつて子どもを望めない身体となり、離婚してからは独身のまま働き続けている。そんな彼女にとって、妹・燈(あかり)の五人の子どもたちは、数少ない私的な幸福だった。 けれど、父の死をきっかけに家族の歯車は少しずつ狂い始める。 母の介護、不倫、夫婦の破綻、そして大人たちの身勝手な感情に振り回された末、取り残されたのは十二歳の香澄と十歳の和樹だった。 「今度、また来てくれる?」 ただ可愛がっていただけの叔母だったはずなのに、傷ついた姉弟の居場所を守るうち、詩稀はやがて、自分の人生を大きく変える決断を迫られていく。 これは、親に選ばれなかった子どもたちと、母になれなかった叔母が、本当の家族になっていくまでの物語。 血のつながりではなく、日々の優しさと覚悟によって受け継がれていくものを描く、現代家族ドラマ。

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小説を読もう2026/03/31
  • 現在の作品受け継がれるもの ――母になれなかった叔母が、ふたりの親になった話――