あらすじ
東理央は、母の仕事の都合で都会から田舎へと転校してきた。
勉強はできるが、非社交的な性格でクラスでは浮いた存在。さらに、若い頃の母の噂も重なり、周囲から距離を置かれる日々を送っていた。しかし理央は、そんな状況を、楽しくはないが、「そういうもの」として受け入れていた。
そんなある日。
サッカー部の人気者・水瀬優也が、突然理央に声をかけてくる。
「これから毎週火曜日、一緒に昼飯食べない?」
理由は「前から憧れていたから」
もっとも、それは恋愛感情ではなく、冷静で他人に流されない理央の在り方を見習いたいというものだった。
あまりにも突飛な提案に戸惑う理央。
そして何より、彼目当ての女子たちからの視線を考えれば、その誘いが面倒事を呼び込むのは火を見るより明らかだった。
「勘違いすんなよ。あいつがお前に気があるとか、そういうのじゃねえから」
そう釘を刺してきたのは、水瀬の親友であり、サッカー部のキャプテン・木竜。
当然、断るつもりだった理央は敵視する彼の態度に、わずかな苛立ちが生まれる。
——そこまで言われる筋合いはない。
そうして面倒事と分かっていながらも、水瀬の誘いを受けることにしたのだった。